漆の修理再考

傷を活かした直し
傷を活かした直し

 

 

最近よくお客様から質問されます。

           漆器の修理について・・・。

 

新品同様に修理をするのが一般的ですが、私はあえて 傷を生かしながらの修理をおすすめしています。

 

特に日常の器は、長年の使用に耐え・・・。

時には凹み、傷になったり、剥げていたり・・・。

 

その傷痕ごと塗り固めていく方法です。

 

そもそも器は、作者が製作し誕生させ→使い手が育てていく。

つまり、それぞれの使い手の器になっていく。

そして、修理はその個性が出た器を活かすのも一つの方法だとおもいます。

 

器の傷は、その人が歩んできた足跡のように感じます。

なにか、人生と同じような感じです。

「傷を負って、成長する。」

 

 

個人的には、日常の器のその傷を大切に修理したいと思っております。

「器と共に生きた証しを残して上げたい」

 

    

 

     〈修理の種類〉

美術品の修理(使用目的ではない)

         総塗替え(新品同様に)

         部分的直し(傷んだ箇所のみ)

         傷を活かした直し

 

 

傷を活かした直しは・・・。

 

傷が新たな表情になり、新品にはない個性がでます。

価格的にもお値打ちになり、気軽にに漆器の修理を依頼できるのも利点です。